成長に必要な「悔しさ」を感じないのはなぜか
サッカーのワールドカップ、日本対ベルギー戦。
悔しさを隠さない日本代表の選手たちの姿がとても印象的でした。
2対0と先行し、「勝てる!」という手ごたえがあったからこそ、悔しさはよりいっそうなんだろうと思います。
悔しい気持ちがなければ成長しない
悔しいと思うから、次に勝つために努力をする。
悔しさは成長には必須です。
入塾試験などで、あえて不合格にしてその反応を見ることがあります。
その時に、悔しさがにじみ出る子は再試験で合格させることがほとんどです。
現状の成績がどうであれ、自分のふがいない結果に悔しさを感じられ子は必ず伸ばせるからです。
ところが、この悔しさをまったく見せない子がいます。
こういう子たちの成績を上げるのは本当に至難の業です。
なぜなら、こういう子たちは「成績を上げたい」という意識が極めて薄いからです。
もちろん、こういう子たちも「成績が上がればいいなぁ」とは思っています。
でも、この意識の差はとてつもなく大きいのです。
そのあたりは、以前書いたこちらの記事をご覧いただくとして・・・
「悔しくない」子たちの心の内
何を隠そう、私自身が、そういう「悔しさ」を感じない子でした。(^_^;)
だからわかるんですよね、この「悔しさ」を感じない子たちの気持ちが。
じつは、「悔しさ」を感じない子たちも、「悔しさ」が成長に必須ということは分かっているのです。
いや、むしろ、わかっているからこそ、あえて自分の中に悔しいという気持ちを発生させないようにしているのです。
だって、悔しかったら次に勝つために努力をしなくてはいけなくなるじゃないですか!
彼らはそこまでわかっています。
だからこそ、悔しいという気持ちを自分から意識的に遠ざけます。
悔しいという気持ちの当然の帰結としての「努力する」ことによって失われるであろう
「友達とのたわいのない会話」の時間、「テレビやネット動画を頭をからっぽにして観る」時間、「世界を救うために最強の自分になれるゲーム」の時間・・・
そうした今自分が大切にしている時間が失われることが嫌だからです。
(とくに親世代の方の子ども時代と違って、こうした時間を延々と続けることができるインターネットという環境があるので、非常にやっかいです。)
だから、成績が上がらなくても、「悔しくない」。だって、勉強は「悔しい」と思うほどの価値のあるものでは無いから・・・
大人と子どもでは異なる時間感覚
大人はわかっています。そんな生活を続けていたら「大人になったら」とんでもないことになることを。
でも、
将来のために今の自分に禁欲的になる・・・
ということは、じつは大人でも決して容易なことではありません。
まして、子どもたちの時間感覚は大人のそれとはだいぶ違います。
大人にとっては「あっというまの1年」ですが、子どもたちにとっての1年先は「はるかかなたの未来」です。
まして、そんな来るかどうかもわからない「大人になったら」なんて未来のために、今の大切な時間を自ら捨てることがどれだけ困難かは理解してあげないと、子どもへの対応は何をしても失敗してしまいます。
では、具体的にどういう対策があるのか・・・
それは、また後日、機会があったら書いてみようと思います。
それでは、今日はこのへんで。
中村 五十一
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