子どもに「将来のために」はなかなか響かない
今日はつくば駅前教室と南守谷校でそれぞれ3者面談を行いました。
当塾では希望制で随時面談を行うようにしています。
そんなこともあるのか、面談をご希望される方の多くは、「男の子を持ったお母さま」ですね。
女性からすると、男子の言動って、ほんとうに歯がゆいのだろうなぁとご推察します。
男の子ったら、どうでもいいことばかりに興味をもって、あっちへふらふら、こっちへふらふら。
合理的に目標に向かっていく女性からすると「理解不能」なんて嘆きがネットでもあちこちに転がっています。
一方で、女の子は合理的に目標に向かっていくだけに、その目標から「勉強」が外れてしまうと、更生するのは男の子より難しい気がします。
勉強することの「メリット」
どちらの性別にしろ、子どもたちにとって勉強に身が入らないのは、その「メリット」がわからないからなんですよね。
勉強することの「メリット」は将来の経済的自由、ありていに言ってしまえば「お金」を獲得できることです。
これだけは、古今東西変わらない現実です(真実かどうかは別として)。
大人たちは、そのメリットを実体験として痛いほど知っています。
でも、子どもたちはその体験が無いから、ぴんと来ないのはやや仕方ないところではあります。
しかも、今の日本では、「勉強するのは『お金』のため」と明言することがなんとなく憚れるような雰囲気があります。
そうなると、「なぜ勉強しなければいけないのか」ということが、子どもたちはますますわからなくなってきます。
じつは大人でも
そもそも、大人であっても人は「将来のため」に必要なことを「今のうちから努力する」というのは、苦手なものです。
たとえば、
老後の健康寿命を延ばすために、若いころからしっかりと下半身の筋肉を鍛えておくことが大事なのですが、
「老後のために、今日から筋トレ、とくにスクワットをしっかりましょう!」
と、言われて
「はい、そうですね。」
と筋トレを始められる大人がいったいどれくらいいるでしょうか?
(参考までに)
子どもたちにとっての「将来」
小学生だと「中学生になってから勉強をがんばればいいや」と思っていますし、
中学生だと「中学3年生になってから勉強をがんばればいいや」と思っていますし、
中3生だと「部活が終わってから勉強がんばればいいや」と思っていますし、
高校生だと「高校3年生になってから勉強がんばればいいや」と思っています。
子どもたちにとっての「将来」とは、むしろそういった「猶予」の期間でしかなかったりします。
それよりも
「今しかできないゲームが大事」と思っていますし、
「今しか見られないYouTubeやテレビが大事」と思っていますし、
「今しかそれらを共通の話題にできない友達が大事」と思っています。
子どもたちの中の「価値観」を変える
多くの保護者の方がおっしゃるように
「やるぞ、という気持ちになってくれれば、できる子なのに・・・」
というのは、あらかた本当です。
しかし、その「やるぞ」という気持ちを勉強に向けるというのは、案外、大人が考えている以上に難しいことなのです。
子どもたちに
「勉強をやるぞ」
と思わせるためには、
彼らが<今大事にしていること>よりも、勉強が価値あるものであると心の底から認識させる必要があるのです。
その難しさゆえに、私たちのような職業が存在するのだということを、改めて認識させられた日でした。
それでは、今日はこのへんで。
中村 五十一
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