受験校の国語の問題は必ず保護者の方も読んでください
中学受験から大学受験まで、国語の問題で、私立であればどんな作品を問題に選び、どんな設問を作るのかという権限を学校の先生はもっているわけです。
これは、良くも悪くもその学校の国語の先生の好みが強く反映されるということを意味しています。
とくに現代文には、
「こんな文章を読んで共感できる生徒がほしいな。」
という先生の想いが間違いなく込められています。
論説文と物語文でいえば、意外かもしれませんが、物語文のほうがより学校からのメッセージ性が強いと私は考えています。
とくに受験生の成長レベルの振れ幅が大きい中学受験において、もっともその傾向が強いように思います。
国語に慣れていない子たちは
「論説文より物語文のほうが楽」
と言います。
それは、物語文で表現されているのが「日常世界」なので、容易にその場面を想像しやすいからでしょう。
しかし、難関校はまさにそこを突いてきます。
物語文の出題難易度が上がってくると、場面が「日常世界」であっても、登場人物たちは10代の受験生たちとは遠く離れた年齢・立場・境遇の人たちばかりで、子どもたち自身が直接経験することはまだないであろう心情を理解することが求められるのです。
たとえ受験生自信が経験していなくても、物語文の登場人物たちが抱える、人としての葛藤・苦しみ・やさしさ・汚さ・残酷さ、そして成長・・・そうしたものを理解できる「大人な」子に入学してほしい・・・
出題される志望校の先生方のそういう想いが、ひしひしと伝わってきます。
受験校を選ぶ基準のひとつとして、
「どんな文章が国語で出題されているか」
ということをぜひ含めてほしいと思います。
とくに中学受験にあっては、実際に受験校の決定権を握っているのは保護者のみなさまです。
ですから、中学受験生の保護者のみなさまこそ、受験を検討している学校の国語の問題は必ず目を通してください。
そして、我が家の子育て方針と合致している出題内容なのか確認をしてください。
「こんな文章は、まだうちの子には早すぎる!」
という感想をいだく保護者の方が意外と少なくないので・・・。
それでは、今日はこのへんで。
中村 五十一
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