世界で生きられる子を育てたいなら、武蔵野大学中学校・高校はぜひ選択肢に

先日、武蔵野女子学院中学校・高校の説明会に行ってきました。

 

その時の記事は、こちら。

武蔵野女子学院中学校・高等学校の説明会に行ってきました。

 

今回は、日野田直彦先生のプレゼンに焦点をあてていろいろと書いてみます。

 

さて、スケジュールを見ても1時間の説明会のうち40分が新任の日野田校長先生のプレゼンに割り当てられるといことからも、いかに日野田先生が注目されているかがわかります。

 

「今の子どもたちが大人になるころには、日本はナイジェリアになるんですよ。」

という、衝撃の冒頭から始まった日野田先生のアメリカ仕込みのプレゼンは、40分間という時間があっという間にすぎる内容の濃いものでした。

 

冒頭の「日本がナイジェリアになる」とは、GDPの予測が2050年の時点で、日本とナイジェリアがほぼ同じになるというデータのことを指しています。

「『あなたの小さな善意がアフリカを救う』みたいなイメージが相変わらず日本では信じられていますが、ナイジェリアでは、ITやビジネスモデルの構築といったことを主眼にした教育が始まっていて、このことが大きな成果を出しているんです。」

と、日野田先生は指摘します。

 

「ITとなぜか距離を置きたがる日本はやがて国際的にどんどん遅れていく・・・」

じつは、私もアメリカに滞在していたころから、同じ危機感を持っていました。

この危機感が、「私塾を立ち上げよう」と私が考え始めたきっかけになっています。

 

私がアメリカの学校に通っていたのは、80年代半ばです。

その当時のアメリカの中学校・高校には、すでに一人一台パソコンが使える教室があり、ほぼすべての生徒がキーボードを打て、多くの生徒がプログラムを組むことができました。

しかし、日本ではワープロ専用機がようやくビジネスの世界に浸透しつつも

「このような機械で手書き文化が廃れるのはいかがなものか」

という論調が幅を利かせていました。

 

 

日野田先生もこの日のプレゼンで

「あの『いかがなものか』という言い方は、もはや民主主義の敵ですよね。」

と一言付け加えていて、私は心の中で拍手喝采を送ってしまいました。

 

「いかがなものか」というのは、ようは「よくわからないから理由も対案も無いけれど、私は好きではありません。」という意味だと私は勝手に解釈しています。

「好きではない」のは構わないのですが、その理由と対案をきっちり出すのが民主主義のルールだしマナーだと思うんですよね。

 

あ・・・でも、きっと私も使っていますよね。

塾経営者として、様々な価値観をお持ちのご家庭のお子さんをお預かりしている立場上、はっきりとものを言えないことは確かにあります。

 

日野田先生は、まさにその「はっきりとものを言えない」ことが、日本が急速に国際的競争力と地位を下げている原因で、それを改善していくことこそが、教育の役割だと断言されます。

「日本人は本質的にとても優秀なのに、バブル以降すっかり自信と自尊心を失ってしまった。

教育で、子どもたちに自信と自尊心を与えてあげれば、自分の考えを人に伝えようとするようになる。

自分の考えを伝えれば、賛成であれ反対であれ、フィードバックがもらえる。

そのフィードバックをもとに、さらに自分の考えを育んでいけばよい。」

 

おそらく、教育現場にいらっしゃる先生方の多くは、同様のことをお考えだと思います。

日野田先生のすごさは、その実践を前任の大阪府立箕面高校で、常に国際的な基準で子どもたちの成長を測り、促してきたということでしょう。

たとえば、英語力の基準として日本ではすっかりポピュラーになったTOEICではなく、TOEFLを基準として用いるということは、その典型です。

 

また、そのために生徒に英語を「勉強させる」のではなく、自発的に「英語を勉強したくなる」環境づくりに力を入れてこられています。

オンライン英会話の先進国であるフィリピンとネット接続して英語を学ばせるというような試みは、英語だけでなく数学などの他の教科の成績も飛躍的にアップさせることにつながったといいます。

 

一方で、「新しく何かをやる」ということは「今までの何かをやめる」ということでバランスを取らないと、生徒や先生たちの負担が増える一方になってしまいます。

そもそも、日本の学校は授業以外にやることがとても多いのです。日本の学校ではそれが「当たり前」になってしまっているので、誰も変えようとしないところに日野田先生は切り込んでいきます。

 

 

授業時間外の補習・補講の廃止

授業時間の大幅削減

学校行事の削減

定期試験の削減またはマークシート方式への転換

 

 

こちらの記事に詳しいことがありますので、ご覧ください。

 

こうした日野田先生の新しい挑戦が、海外の有名大学への進学だけでなく、日本の大学受験にもいかんなく発揮されているということは、今後も日本の学校教育の在り方に一石を投じつづけることになると思います。

 

わが子を世界で生きていける人間に育てたい・・・・

 

そういう想いのある方でしたら、来年度から「武蔵野大学中学校・高校」として共学化される武蔵野女子学院中学校・高校は、絶対に選択肢に入れておくべき学校になっていくと思います。

 

 

最後に、この日のプレゼンとほぼ同じ内容と思われるワークショップのダイジェスト動画がありましたので、よろしければあわせてごらんください。

 

それでは、今日はこのへんで。

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中村 五十一

株式会社スタディー・プレイス代表取締役。STUDY PLACE 翔智塾の「ボケ」担当、「ツッコミ」は生徒たち。授業は「生徒たちとの掛け合い漫才」だと思っている。塾講師歴30年。県下最大手塾・茨進の教室長などを歴任。千葉テレビの「茨城県立高校入試の解答と解説」で3年にわたり解説を務めた。
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