模試を有効活用して効率的な勉強を
学生時代の私はみなさんが思うほど勉強はしていなかったと思います。
ただ、毎月行われる模試だけは、有効活用できていたと今でも自負しています。
じつは、模試は勉強時間を飛躍的に短くできる魔法の杖なのです。
がんばっているのに成績が上がらないわけ
「こんなにがんばっているのに成績が上がらない。」
と悩んでいる人は少なくありません。
多くの場合、そもそも、それでも勉強時間や勉強量が必要な水準に達していないのですけれどね。
しかし、中には時間も量も十分こなしているのに成績が上がらないことがあります。
そういう子の勉強を見ていると、自分ができる問題ばかりを解いているんですよね。
たしかに、量をこなせますから勉強をやった充実感はあるかもしれません。
でも、自転車に乗れない子がいくら三輪車にたくさん乗っても、自転車に乗れるようになりますか?
無理ですよね。
十分な勉強量をこなしていても成績が上がらない人は、自分の勉強の内容が最初から解ける問題ばかりになっていないか確かめる必要があります。
できていないところを見つける
では、どうやって確かめるのか。
そこで、先ほどの魔法の杖、模試の登場となるわけです。
ふだんの授業で使うテキストや問題集は、そのページのタイトルを見れば、どの知識を使って解くのかわかりますよね。
だから、「実力以上に解けてしまう」のです。
でも、模試は、どの知識を使って解くのかを自分で考えなければなりません。
つまり、本当の実力(=弱さ)が露呈するのです。
模試の本当の役割
模試を受験し終わったら、できるだけ早い段階で自分で添削するのが理想的です。
なぜ自分がその答えを導き出したかという記憶が鮮明なうちのほうが効果が高いからです。
そして、ここからが大事です。
「できなかった問題」だけ、じっくりと解説を読み「次に同じ問題に出会ったら、どうすれば正解できるのか」を考える。
もうね、このためだけに模試があると言っても過言ではないのですよ。
正解していた問題は、このさい無視しましょう。
点数は気になるでしょうけれど、これも無視しましょう。
とにかく、「できなかった問題」だけに集中し、徹底して対策する。
これまで割いてきた解ける問題に対する時間とエネルギーのすべてを、かわりに「できなかった問題」に注ぎ込んでくださいね。
鮮度が命
私は、試験帰りの電車の中でこの作業をやっていました。
食べ物と模試は鮮度が命ですからね。
ちなみに、塾では模試の解答を業者に送らないといけないので、コピーして保管しています。
そして、そのコピーを使って、次の授業で添削と解説を行うようにしています。
ほんとうは、試験直後が理想なのですが、自己採点能力がまだまだ未熟な小中学生は添削に指導者がいたほうが良いので、そこは妥協しています。
模試は「勉強しなくてよい分野」を教えてくれるものだ。
そう考えて取り組むと楽しいですよ。
それでは、今日はこのへんで。
中村 五十一
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