国語力で恋愛を成就させる!?
とある人生相談みたいなコーナーで、
「好きな人がいます。でも、たとえば、私は猫好きなのですが、彼は犬好きといったように、ことごとく価値観がことなり、これから先うまくやっていけるか心配です。」
という相談に、
「大丈夫です。猫好きと犬好きなら、おふたりとも『小動物好き』という共通の価値観があるわけで、そういった共通事項をお互いに見つけていくことが幸せにやっていくコツですよ。」
と、鮮やかに返答しているのを見て、大変感心してしまいました。
共通事項を見つける・・・というのは、じつは国語力を構成する「語彙力」「速読力」「構造分析力」の中の「構造分析力」にかかわる大切な力です。
たとえば、
空欄に適切な接続詞を入れなさい。
米、小麦、とうもろこし( )穀物は、人間の活動に必要なエネルギー元である主食としての位置を占めている。
という問題があったとします。
空欄の前の、「米、小麦、とうもろこし」の共通点として空欄の後の「穀物」という言葉が配置されていると考えると、空欄に入れるべき接続詞は抽象化の接続詞「つまり」が適切と判断できます。
この例題では、単語レベルの比較でしたが、設問で書かれていることと本文で書かれていることの「共通点」を探すことで解答箇所がわかるというのは、長文読解問題の定石となっています。
言い換えれば、問題作成者の解釈と本文の著作者の意図との共通点を探り当てるのが、長文読解問題の肝ということです。
交通が発達し、ネットが発達し、グローバル化と情報化で、良くも悪くも価値観や考え方の異なる人たちが簡単に出会える時代になりました。
ネットを眺めていても、価値観が異なった人たちどうしが、「我こそ正義なり、邪を滅ぼさん」と言わんばかりの言い争いを果てることなくやっている人たちがいます。
もともと異なる個体どうしです。差異を探せばいくらでも見つかるでしょう。けれども、私たちはひとりで生きていけない社会的生き物でもあります。
猫好きか犬好きかではなく、小動物好きという共通点を見つけていくような、そんなやりとりを意識していった方が幸せになれるのではないかと私は思いますし、まさに私たちが「受験勉強」として行っている長文読解が、そのトレーニングがうってつけなのではないかと私は信じて疑いません。
話が大きくなってしまいましたね。(=^・^=)
あ、わが夫婦は、妻が猫好き、私が犬好きです。
それでは、今日はこのへんで。
中村 五十一
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