趣味をもっている子は強い
私が子どものころは、誰でも大人顔負けの知識を持っている分野があったものです。
いわゆる「〇〇〇マニア」ってやつでしてね。
とくに男の子には乗り物が人気で、どんなに性格が合わなくても、こうした趣味が一致すれば仲良くなれてしまいました。
自分の趣味であれば、大人向けの専門書を読むのも苦では全くないどころか、恍惚とした幸せな時間ですらありました。
そうした体験から、漢字や語彙力、社会や理科の知識などが「遊び」として頭に入ってきましたから、学校の「勉強」で習うことのほとんどが「既に知っていること」でした。
趣味をもっている子は勉強では圧倒的に強かったですね。
しかし、私が高校生のころ、あの忌まわしい事件が起きます。
「連続幼女誘拐殺人事件」の犯人の部屋から大量のマンガやビデオがでてきたことから、「〇〇〇マニア」は危険な精神異常の兆候のように言われるようになったのです。
そのころから、身の回りの同級生たちは急激に趣味から身を引くようになりました。
大学になった私はとある塾で講師をしていましたが、教室の男の子たちが、年々無趣味になっていくのを肌で感じていました。
もちろん、事件の影響だけではないでしょう。
敷居の高い趣味の世界に入らずとも、ゲーム機の普及で子どもたちの潤沢な自由時間はすべてゲームに注がれるようになったということも、もちろんあります。
いずれにしろ「〇〇〇博士」と尊敬されていた「〇〇〇マニア」はやがて「〇〇〇おたく」として蔑まれるようになり、表向きにはその数を急激に減らしていきました。
ところが、ここ数年、少しずつではありますが、ここ数年は、「〇〇〇マニア」が教室でもちらほら散見されるようになったのです。
聞くと、「実は父が好きで、その影響で・・・・」という子が。
なるほど、「〇〇〇マニア」だった少年たちが父親になり、じつはひそかに「〇〇〇マニア」であり続けたのですね。
同類としてとてもうれしくなってしまいました。
今日の保護者面談でも、じつはS君が自動車とスノボが大好きというワクワクするような情報を入手してしまいました。
S君の憧れの車・・・・じつは、私の妻が乗っています(^^;
もともと私たち夫婦は、同じ車種のスポーツカーに乗っていたことがきっかけで知り合っています。(ここ、テストにでますよ!)
「〇〇〇マニア」と呼ばれるような専門分野をもっていると、勉強がだいぶ楽しくなるだけでなく、こんな出会いにつながったりもしますので、お子さんのそういう想いや夢はぜひ大事に育んでいただけたらなぁと思うのです。
その夢と今の受験勉強とのつながりが見えたとき、きっとその子は最強受験生に成長していることでしょうから。
それでは、今日はこのへんで。
中村 五十一
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