アートでこどもたちの心を飛翔させたい

先日、初めて個展なるものに行ってみました。
翔智塾の「紹介カード」の中にある筆文字を書いてくださった書家・熊谷雲炎先生の個展です。
ネットで簡単にアート作品が楽しめる時代ではあるけれども、やはりリアルなものの持つ質感というのは、その場にいないとわからない・・・ということも、改めて再認識させられました。
平面に墨一色で書かれた作品なのに、まるでトリックアートのように立体的なナニモノかに見えてくる体験は、とても貴重でした。

書道を現代アートに昇華させた雲炎先生の作品は、見る者に想像力の翼を授けてくれます。
「これはいったい何を描いたものだろうか?」
と考え出すと、自分の想像力も意外とまんざらでもない気がしてきます。

そんなとき、ふと思ったのが、
「ここに、子どもたちをつれてきたい」
でした。
「子どもたちなら、どんな想像をして、どんな感想を口にするのだろう」
そう思うと、さらにわくわくしてきました。
今の子どもたちって、ちょっと他人に対して壁を作りがちな気がします。
小さいころから「知らない人と話してはいけないよ」と注意されているからなのでしょうか。
ちゃんと挨拶をしない子、初めて会う子にどう話しかけていいかわからない子、休み時間に何を話したらわからない子・・・そんな子たちが増えています。
そういう子たちをみんな連れてきて、このアートの前で自由に感想を口にしてもらう・・・
そうしたら、「自分の想いを口にすること」の楽しさに気づいてくれるのではないか・・・
そうしたら、「自分の想いを聞いてもらえること」のありがたさに気づいてくれるのではないか・・・。

やがて、雲炎先生から、作品のコンセプトなどを説明されると、ずいぶんと自分の見方が違っていたことに驚かされます。
でも、そういうズレができることを楽しめるのが現代アートだと思っているので、それでよいと私は勝手に思っています。
同じものを見ても、同じように見えない
そんな当たり前のことが、あらためて「当たり前」として認識されることが、「多様化」の本質であり根源ではないでしょうか。


熊谷雲炎先生の指導は、翔智塾でも受講できます。
少しでも興味を持たれましたら、お気軽にお問い合わせください。
中村 五十一
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